1968年、東京にオープンした「ルコント」は、日本におけるフランス菓子専門店の草分けでした。フランスから来日し、この店を創業したアンドレ・ルコント氏亡き後、一度は閉店しましたが、この店を愛する人々の声に応える形で2013年に復活し、OBの方々の尽力も得て、その技術と思いが現在に継承されています。私にとっても、「ルコント」のお菓子は、フランスの文化や行事に興味を持つきっかけになったものでした。
そんな思い出多き「ルコント」から、9月に発売されたのが、この「ケークマロン」。「ルコント」の看板商品の一つが、洋酒に漬け込んだフルーツが贅沢に焼き込まれた「フルーツケーキ」。そんな、フランス菓子の定番品であるパウンドケークのバリエーションとして登場したのが、秋ならではの栗のケークです。
私も早速入手していただき、かつて「ルコント」に勤め、現在、シェフパティシエに就任して伝統の味を受け継ぐ川邊努シェフに、詳しくお話を伺いました。
この「ケークマロン」は、生地が非常にしっとりしているのが特徴です。その秘密は、フランスのメーカー製の「クレーム・ド・マロン」という、バニラなども入る栗のクリームを混ぜ込んでいること。そして、蜂蜜を加えていること。フランスのシャンパーニュ地方で採れる、様々な花の蜜がブレンドされた百花蜜で、とても香りのいいものです。また、加える砂糖の半分弱程の量を、カソナードという風味豊かな赤砂糖にしているのもポイント。そういった素材一つ一つが混ざり合って、栗を主役としつつ、より奥行きのある風味を生み出しています。
生地の中には、国産栗の渋皮付き甘露煮を、やや大き目に刻んだものをブレンド。また、胡桃をローストして手で細かくちぎったものも加え、アクセントにしています。さらに、生地の中にラム酒を混ぜているだけでなく、焼き上がりにも、ラム酒を加えたシロップを打って香りを高めています。このシロップにも蜂蜜が入っているため、水分が蒸発すると、美味しそうな照り色も生まれるのです。
川邊シェフ曰く、クラシックなフランス菓子では、生地を少しパサつくほどにしっかり焼いて、シロップをたっぷりしみ込ませるような製法を取るものもあるけれど、このケークは、はじめからある程度しっとりした食感に焼き上げ、そこからふわりと洋酒が香るテイストを目指したそう。配合や製法自体は、「フルーツケーキ」とは異なるタイプですが、使っているラム酒は同じで、焼いてもしっかりと香りが残るもの。たとえ原価が少し高い素材でも、よい物であれば惜しまずに使う、という哲学も、ルコント氏の考えを受け継いでいると感じられます。
栗と胡桃の味や食感、ラム酒の上品な香りが楽しめ、紅茶ともコーヒーとも相性よく召し上がれます。11月半ば頃までの期間限定販売の予定だそう。「フルーツケーキ」との食べ比べも面白いですね。気になる方は、ぜひお早目にお試しください!
平岩理緒さん
(スイーツジャーナリスト)
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