お取り寄せの達人のオススメ!
嶋啓祐さん(フードビジネスデザイナー)
旨みとヘルシー感たっぷりのホロホロ鳥。いつもの食卓にちょっと贅沢を。

ホロホロ鳥。北アフリカ原産の黒い大きめの飼育鶏は、まだまだ日本ではマイナーな素材かもしれません。レストランでは銘柄鶏よりも高級感ある位置漬けで、実際多くの有名店でオンリストされていますので、聞いたことはあるという方も多いかもしれません。
フランス語では「パンタード」と呼ばれ、貴族が愛した食鳥の女王と呼ばれるほど。
その特徴は肉の厚さと食感、そして旨み感溢れる味わいにあります。これはきっと、鳥そのものの大きさの違いから感じ取ることができるでしょう。
例えば最近人気のムネ肉は通常の国産鶏よりも厚く、ササミにしても1.5倍くらいはあります。食感を一言で表現すると、やんわりとした噛み応え。後味にじわっとした旨みが残る、これまで感じたことのない鶏肉のおいしさを感じていただけると思います。
生産者である石黒農場を初めて訪れたのは、一昨年の夏。岩手は花巻温泉の裏手に、ひっそりとしたのどかな田園風景が広がっています。自然の中にすーっと溶け込むように鶏舎と加工場、そしてゲストハウスを兼ねた古民家があり、のどかなシーンはとても印象的です。
その日は、伝統ある南部鉄器で作られたオーブンやフライパンでホロホロ鳥を焼く写真撮影が行われており、香ばしいかおりがふわふわと漂い、それはもうそのままBBQなんかできたらいいなあと思ったほどです。
髭が似合うナイスガイ、石黒さんはホロホロ鳥一筋。餌の一部となるお米もご自分で栽培されています。
「たまに熊も出るんですよ、やつらはなかなか賢くて知恵比べですよ、わっはっは」。
豪快に笑い飛ばす姿に、自然相手に生きる農家の姿に、人間の大きさを感じてしまいます。
隣接する小さな工場ではパテやソーセージといった加工品も作られています。今回ご紹介する詰め合わせセットは下記の通り、すでに火入れして燻製をかけているものです。
・ほろほろ鳥モモ燻製
・ほろほろ鳥ムネ燻製
・ほろほろ鳥ササミ燻製
・ほろほろ鳥手羽燻製
皮目を下にしてフライパンもしくはオーブントースターで焼くことで香ばしくいただけます。
中でも手羽の燻製は軽く焙って手でむしゃむしゃといただきましょう。ビールが進み過ぎるのでとても危険です(笑)。
最後に。鶏ガラもお取り寄せしたこともあったのですが、コトコトと煮詰めて出汁を取る際にもほとんど「アク」が出ないのです。石黒さんに聞くと、
「それは食べているエサが違うからだと思いますよ」。
中間流通を入れずにほぼ直接販売で、多くの飲食店や海外公館から信頼を得ている石黒さんのホロホロ鳥、ぜひお取り寄せいただきたい逸品です。
嶋啓祐さん(フードビジネスデザイナー)
全国の食材や加工品をPRするフードビジネスデザイナー。自然、風土、生産者、素材、そして料理人とその先にいる顧客、食に関わるすべての方が幸せになるような「フードデザインによる地方創生」を仕事にしている。おとりよせの達人ほか、02年よりオールアバウトにてフレンチガイド、ぐるなびのippinキュレーターを務める。北海道出身。
[ウェブサイト] All About フレンチガイド