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清水美穂子さん(ブレッドジャーナリスト)

いつものサンドイッチやパスタやハンバーグが数段美味しくなる

 リノーザ島のケイパー

ケイパーと聞いて多くの人が思い浮かべるイメージは、スモークサーモンに散らしてある粒々のもの、ではないでしょうか。あれは花の蕾なんですよ。あらロマンチック。でもべつに、あってもなくても構わない感じ……なんて、思われてきたことでしょう。私がそうでした。

その意識が急展開、ケイパーは今や、梅干しのごとく必要性を帯びた食材となったのです。きっかけはこのケイパー。セドリック・カサノヴァさんが、炊きたてのご飯にペコリーノ(ハード系のチーズ)を削ってのせて、ケイパーを散らし、オリーブオイルをちょろりとかけたご飯を勧めてくださったときの衝撃は今でも忘れられません。ケイパーは存在感のない脇役から、なくてはならない名脇役へと昇進したのです。品のある酸味と塩味の絶妙なバランス。それは小さな美食の蕾。なにこれおいしい!と感激したのでした。

賞味期間は冷蔵庫で2年。一袋あるとさまざまな料理に活かせます。酢漬け(ピクルス)なので、たまごサンドのマヨネーズに刻んで混ぜると味が引き締まると教えてくれたのは店主の勅使河原加奈子さん。ポテトサラダにも合うそうです。私はツナサンドにも使います。最近気に入っているのはハンバーグ。トマト味の煮込みハンバーグのソースに混ぜると、旨みが数段アップします。見た目の感じも新しく、なんだか嬉しい発見です。

友達の間ではいつのまにか、セドリックさんのケイパーはブームになっていて、チキンのソテーにこの酸味がぴたりと寄り沿ってくれるとか、パスタソースにニンニクと一緒に入れるといい塩梅だとか、たまごかけご飯に塩昆布とともに散らすと絶品とか、会えばおいしい話題が飛び交っています。みんなそれぞれの食卓であれこれ試しているのですね。自分でやってみた成果を、おいしいもの好きの人に薦めたくなるのがこのケイパーの特徴かもしれません。

形が不揃いなのは収穫を急がないと虫がつくので、粒を揃えている時間がないのだそうです。輸入品は距離が遠いために作り手の顔が浮かびにくいものですが、これだとオリーブオイルに魅せられた人、セドリック・カサノヴァさんの顔が浮かびます。そう、以前おとりよせネットでご紹介した自然農法のオリーブオイル「「カタラーノのピリクダーラ (PAC1P)」」も合わせて使えば鬼に金棒。いつの間に料理が上手になったの?と思われること間違いなしです。

清水美穂子さん(ブレッドジャーナリスト)

東京生まれ。おいしいパンとそれをつくる人びとを取材する一方で、日常の食事の愉しみ、bread+something good(パンと何かいいもの)を提案する日々。関連企画のコーディネート、執筆多数。総合情報サイトAll Aboutではパンのガイドを務める。著書に『おいしいパン屋さんのつくりかた』(ソフトバンククリエイティブ)『日々のパン手帖~パンを愉しむsomething good』(メディアファクトリー)。

[ウェブサイト] Bread Journal
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