お取り寄せの達人のオススメ!
菅井かおるさん(食と暮らしを楽しむ!「美食手帖」主宰)
魚のすり身と豆腐の生地に9種類の具材が入った、特大サイズのさつま揚げ
昨年、人生2度目のお伊勢まいりに行ってきました。今回は、伊勢神宮近くのおかげ横丁でたっぷり時間が取れそうだったので、おかげ横丁内のお店を色々と調べてから行きました。練り物好きとしては、明治38年(1905年)創業の老舗かまぼこ店「若松屋」の、チーズ棒と伊勢ひりょうずは外せないと思いました。
行きに松阪で高速を降り、松阪肉の名店の販売コーナーに寄ってから、宿泊場所のある志摩を目指して国道を南下しました。途中清流として知られる宮川に架かる橋の手前で、左手に「伊勢かまぼこ 若松屋」と書かれた看板を見つけました。
予定では翌日におかげ横丁内の若松屋へ行くはずだったので、一旦は通り過ぎたのですが、少しでも早く食べたいという思いから、引き返して若松屋宮川店を訪ねました。
店内には、上質な魚のすり身をこだわりの水や塩で練り上げ、香りのよい米油で揚げた、出来立てのバラエティ豊かなさつま揚げが並んでいました。お目当てのチーズ棒、伊勢ひりょうずと、店員さんおススメのたこ棒を買いました。
早速その晩、宿泊先のバーベキューグリルで表面を軽く炙り、レモンを絞って頂きました。チーズ棒とたこ棒は、どちらもプリプリと弾力のある歯ざわりで、お魚の旨みがぎゅっと詰まった味がしました。
ひりょうず(飛竜頭)は、私の住む関東ではがんもどきと呼ばれ、スーパーではお豆腐のコーナーで売られています。伊勢ひりょうずは、私が知っているがんもどきとは、大きさも重さも、触り心地もまったく違っていました。テニスボールより少し大きくてずっしりと重く、中身がみっちり詰まっていて驚きました。
伊勢ひりょうずには、良質なひじきの産地として知られる三重県産の肉厚の伊勢ひじきをはじめ、9種類の栄養たっぷりで食物繊維豊富な具材が入っています。半分にカットすると真ん中にある、存在感抜群のうずらの卵は、龍の眼をイメージしているそうです。切り口は、まるでお祝いの席の五目寿司のように彩りが豊かで華やかで、目にするだけで楽しい気分になれます。
生地には、魚のすり身だけでなくお豆腐が練り込んであるので、ふんわりとやさしい歯ざわりです。具材の筍のシャキシャキ感、椎茸の旨み、ごぼうの香り、人参の彩り、枝豆のツヤ感、わかめの磯の香り、きくらげのコリコリ感、うずらの卵のまろやかさ、すべてが一体となって他にはない味わいを生み出しています。
お取り寄せの伊勢ひりょうずは、クール便で届くので、レンジで1分ほど温めてからオーブントースターなどで焼き直すと、さらにおいしく頂けそうです。寒い時期には、炊き合わせやおでんにするのもいいですね。賞味期限は発送日から5日間ほど、さらに日持ちのする個包装の真空パックもありますよ。
菅井かおるさん(食と暮らしを楽しむ!「美食手帖」主宰)
埼玉県出身東京都在住、高校生と中学生のママ。大学在学中より華道・池坊(師範免許取得)、茶道・裏千家を学ぶ。金融機関退社後ジャパンホームベーキングスクール、辻クッキングスクール、長沼静きもの学院等で学ぶ。数年前にプリザーブドフラワー&生花アレンジメントのディプロマを取得。「食を楽しむことが生活を楽しむことにつながる」がモットー。調理師免許を持つ母の影響もあり、歳を重ねるごとに食への執着は増すばかり…
[ウェブサイト] 美食手帖