濃縮ひやしあめ 瓶550ml
京のおばんざい 祇園藤村屋
みなさん、「ひやしあめ」をご存じですか?
京都では昔から愛されてきた夏の風物詩。氷を入れて、キーンと冷たくひやしていただく飲み物で、大阪などでは缶入りの商品があるとか。
茶店や甘味屋さんで飲むような、お手頃だけどちょっと特別感のある「甘いもん」でしたが、京都を離れてからは、もっぱら取り寄せて自宅でいただくようになりました。
今、わたしの手元には二本のひやしあめがあります。
一本は長年、買い続けてきた老舗のひやしあめで賞味期限はもうすぐ切れてしまいます。
けれど「もう体力的にムリですねん。もう小売りはやめさせてもらおと思てます」と申し訳なさそうに話した店主の言葉通り、こちらはつい最近、公式サイトもクローズ。
そこに掲載されていた、夏ともなると灼熱地獄のような暑さの中、高知産の生姜を大きな釜で懸命に炊きあげる昔ながらの手法も、もはや「幻」となってしまいました。京都に限ったことではないかもしれませんが、商売は順調なのに、後継者がいないばかりに一子相伝の味が失われていく・・・こんな例があとをたたず、非常に残念な思いです。
今回、「祇園藤村屋」さんで取り寄せてみたのは、同じ京都の新食工業というメーカーさんのひやしあめ。業務用に色々なものを作っておられるようで、自社での小売りはされていないようです。
愛飲していたひやしあめが手に入らないとなると、代わりのものを私も探さねばなりません。その点、京都で長くあきないをされている藤村屋さんのセレクトなら安心!
早速試してみたところ、冷たい水にもさっと溶け、はちみつが入っている点も高ポイント。香料が少し入っていますが、高知産の生姜が使われていて、私の大好きだったひやしあめとそん色ない美味しさです。
本来業務用商品のようでたっぷり入ってとてもお買い得。最後の一本に別れを告げたら、しばらくこの新しいひやしあめになじんでいくことになると思います。
からだをあたためる生姜は、冷え性が多い女性がすすんでとりたい食材。ジンジャーシロップとの違いは、麦芽飴(水あめ)を使うところでしょうか。
生姜のスパイシーさ(辛み)を抑え、爽やかなしょうがの香味を飴に溶かし込んだのが「ひやしあめ」。砂糖にはないコク、まろやかさ、素朴さ・・・麦芽飴の深い甘さが魅力です。
自家製かき氷の蜜に、シャーベットなどの冷菓づくりに。また相性のいいレモンをちょっと絞ってみたり、ミルクや炭酸で割ったり、寒い季節にはあたたかな「あめ湯」にしたりと色々使えるのも魅力です。
私はちょっと濃いめに味わうのが好き。ストレートタイプだとこうはいきません。
とにかく、キーンと冷やして飲むのが一番のおすすめ。大事にしたいふるきよき甘味のひとつです。
更新日:2016年06月21日
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