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北村貴さん(フードマーケッター・フードソムリエ主宰)
貴重品種「ぶどう山椒」100%の山椒粉
子供のころから、みかんといえば「三ケ日」か「有田」というブランド名が段ボール箱に書いてありました。
45年以上前のことですから、地域ブランドのハシリといっても過言ではないでしょう。特に好きだったのが「有田」のみかんで、私の中で「食ブランド」として認識された最初の品は有田みかんです。
しかし、ずっと佐賀県にある陶器で有名な「有田町」だと思っていたのですが、これが「和歌山県有田川町」であることに気づいたのは、つい最近のこと。しかも「ありた」じゃなくて「ありだ」と読むんだとか……。
今日はそんな有田川町の「紡ぎ山椒」と「紡ぎ七味」をご紹介します。
実は山椒ってミカン科の樹木だということをご存じでしたか?山椒の実を食べたことがある方なら、イメージしやすいかもしれませんが、噛んでみると、爽やかな柑橘っぽい香りがシビレと共に口に広がりますよね。
和歌山県は日本一の山椒生産を誇り、全国の7割を占めます。中でも今回紹介する「ぶどう山椒」は、粒が大きく、風味が抜群に良いため、食通の間では知られた品種です。
その名の通り、山椒の木にぶどう状に鈴なりに実をつける山椒は圧巻で、香りを形成する果皮が厚く、有田川周辺が原産地。今でもほとんどがこの近辺で生産されている貴重な品で、美しい緑色、粒なりの実で最高峰の山椒と言われています。西日があたらない傾斜地を好む山椒は、みかんの産地ならではの地の利を生かした有田川町が栽培に最適なのです。
さて、今回紹介する紡ぎ山椒は、そんな厳選されたぶどう山椒だけを使ったもの。
山椒が大好きで、シーズンになると自分で実山椒を漬けたり、山椒オイルを作ったりしているのですが、この紡ぎ山椒は食べたとたんに香りのよさがはっきり分かるほど、「格段においしい」と感じる逸品でした。
魚介類や汁物との相性の良さはもちろんですが、脂が程よくあるお肉や、カルボナーラなどのパスタとも非常に相性が良く、和食のみならず幅広く楽しむことができます。
また紡ぎ七味には、当地でとれたみかんの皮を乾燥させた「陳皮」が使われており、有田中央高校の生徒とのコラボレーションで実現した品です。
今回紹介した2品に加え、香りよく料理に使いやすい練り七味や、ニンニクゆず胡椒などもおすすめです。あなたの食卓にも、ぜひ!
北村貴さん(フードマーケッター・フードソムリエ主宰)
美味しいものを探求する心は誰にも負けないマーケッター。20年間の東京生活を経て、2004年Uターン。その後2007年に(株)グロッシーを設立し、プロ料理家160人がレシピを提案するサイト「フードソムリエ」を運営している。
[ウェブサイト] フードソムリエ料理家ネット
一般社団法人日本味育協会