お取り寄せの達人のオススメ!

平岩理緒さん(スイーツジャーナリスト)

懐かしくも新しい、古き良き町で愛される和菓子店のレーズンサンド

 れぇずんくっきぃ(8個入り)

私は、子供の頃からレーズンサンドの類いが好きで、大人になってからは、ロングセラーから隠れた名品まで、ひそかに色々と食べ比べてまいりました。
長野県松本市の和菓子店「藤むら」さんの「れぇずんくっきぃ」を知ったのは、ちょうど一年程前のこと。
2016年にスタートした「松本スイーツコンテスト」の審査員を担当させていただくご縁があり、松本を訪れた際、「藤むら」さんの奥様が、第1回の「松本スイーツコンテスト」優勝作品を考案されたご縁で、お店に伺い、初めてこのお菓子をいただいたのでした。

「藤むら」さんは、松本独特の建築「なまこ壁」を再現した店構えが印象的な、こじんまりとした可愛らしい和菓子店です。最初にショーケースを見た時、名物の酒まんじゅうや上生菓子と共に、「れぇずんくっきぃ」や「スイートポテト」が並んでいるのが気になりました。

現在の店主である近藤さんは三代目で、実は、初代が和菓子店を始められ、お父様である二代目が洋菓子を学ばれたのだそう。今は再び、和菓子を主軸としていますが、今でも、二代目の「れぇずんくっきぃ」が継承され、ずっと作り続けられているのです。

こちらの「れぇずんくっきぃ」の特徴は、まず、サイズが大ぶりで、食べ応え充分であること。この大きさでこの価格?と、リーズナブルさに驚かされます。一口かじると、何とも懐かしく、ほっとする味!
サブレは、クリームを挟んでから冷蔵庫で1日以上寝かせることで、サクサク感も残しつつ、少ししっとりして全体になじみ、食べやすくやさしい口当たりとなっています。自家製で漬け込んだラムレーズンもたっぷり入って、何より、このお菓子の要となるバタークリームは、もちろんフレッシュバターのみを使用。メレンゲでふんわり軽くしてあり、冷蔵庫から出したてはひんやりと冷たく少し締まっていますが、ゆっくり味わううちに常温に戻っていくと、口の中の温度でふうわりととけて、まろやかなコクと控えめながら芳醇なラムの香りがほんのりと広がります。

「れぇずんくっきぃ」とひらがなで書かれた包み紙も愛らしくて好きなのですが、これは、7-8年前に、和菓子店らしいパッケージにとリニューアルしたものだそう。民芸調の書体にぶどうの柄を入れた絵文字風のデザインが、クラシックでいてどこかモダン。

実は、松本市という場所自体が、そのような要素を持つ町で、たとえば、松本を代表する旧跡「旧開智学校」は、明治初期の学制施行により建てられた小学校で、文明開化を象徴するような、和洋折衷のスタイルで知られています。

同じように、和洋があいまったこの店ならではの、お父様と息子さんの思いが込められた、心に残る一品です。10個、12個入りもあり、人数に合わせて選ぶことができます。品のよい手土産としても遜色なく、手頃な価格なので、大勢集まる時のおやつとしてもいいですね。

平岩理緒さん(スイーツジャーナリスト)

スイーツ情報WEB「幸せのケーキ共和国」主宰。スイーツジャーナリストとして全国銘菓に精通し、TV・雑誌等各メディアで発信。「All About」スイーツガイドも務める。イベント企画や司会、企業や自治体のスイーツ開発など幅広く活動。セミナーや製菓系学校での講師も務める。TVチャンピオン「デパ地下グルメ選手権」優勝。著書に『東京最高のパティスリー』(ぴあ)、『まんぷく東京 レアもの絶品スイーツ』(KADOKAWA)等。『厳選スイーツ手帳』・『厳選ショコラ手帖』(世界文化社)を監修。

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監修本『厳選スイーツ手帖』(世界文化社)
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※本ページにはプロモーションが含まれています

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