お取り寄せの達人のオススメ!

清水美穂子さん(ブレッドジャーナリスト)

パリの一流料理人、菓子職人御用達、自然農法のオリーブオイル。

 カタラーノのピリクダーラ (PAC1P)

パリでシチリア産のオリーブオイルなどの食材を扱う「ラ・テット・ダン・レ・ゾリーブ」を運営するイタリア系フランス人、セドリック・カサノヴァさんが2016年9月、東京は表参道にお店を開きました。

店名の「ラ・テット・ダン・レ・ゾリーブ」というのは「頭はすっかりオリーブ漬け」すなわち、オリーブのことばかり考えている、という意味だそう。
オリーブの山に頭をつっこんで頭だけで倒立したセドリックさんがお店のロゴとなって外壁にも描かれていますが、彼は「シルク・ドゥ・ソレイユ」で綱渡り芸人をしていたこともあり、本当にこんなことができるのです。そんな経歴を持つセドリックさんはやがて、シチリアで家族経営の小規模農家をサポートする仕事を始めます。今では60軒以上の農家と契約して自然農法のオリーブの販売までを行い、アラン・デュカスやピエール・エルメなど、パリの一流シェフたちがその顧客に名を連ねています。

オリーブオイルはブレンドが一般的ですが、セドリックさんのオイルはシングルオリジン。単一の畑、単一の品種からつくられるものがほとんどです。
そのため、個性が際立っておもしろいのです。瓶のラベルには「フランチェスコさんの畑のビアンコリーラ種」のように記されています。

ちなみに「フランチェスコさんの畑のビアンコリーラ種」はオリーブオイル初心者におすすめです。さらりと爽やかで繊細な若草の香りで朝食のパンにつけても素敵です。

現在、取り扱いが8種類あるなかで、今回おすすめしているのは翡翠のような緑色をした「カタラーノさんの畑のピリクダーラ種」。
まろやかな舌触りのなかに、青草とローストしたナッツの香りで、加熱してもOKなのでパスタ用のトマトソースにも用いています。

油を感じさせない軽やかさなので、気がつくとたっぷり使っていて、減りが早いのが難点といえば難点ですが、料理を一段も二段もおいしくしてくれる調味料だと思います。

オリーブオイル好きなら「ブッタフォッコさんのチェラソーラ種」がいいと思います。樹齢300年を超える立派な木からとれるオリーブオイルで、カカオのような凝縮感、完熟バナナやブールノワゼット(焦がしバター)のようなテイストが感じられます。これをエルメはオリーブオイルのマカロンに用いたと言い、パティシエに人気のあるオイルです。わたしはこれをパンにつけて食べます。

迷ってしまう人はホームページもご参照ください。お店に行けばテイスティングもできます。どのオイルも、まろやかな中に草花や果実、甘みや苦み、辛み、いろいろなニュアンスが感じられて、イマジネーションと料理欲、そして食欲が刺激されるオイルです。

清水美穂子さん(ブレッドジャーナリスト)

東京生まれ。おいしいパンとそれをつくる人びとを取材する一方で、日常の食事の愉しみ、bread+something good(パンと何かいいもの)を提案する日々。関連企画のコーディネート、執筆多数。総合情報サイトAll Aboutではパンのガイドを務める。著書に『おいしいパン屋さんのつくりかた』(ソフトバンククリエイティブ)『日々のパン手帖~パンを愉しむsomething good』(メディアファクトリー)。

[ウェブサイト] Bread Journal
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