お取り寄せの達人のオススメ!
菅井かおるさん(食と暮らしを楽しむ!「美食手帖」主宰)
生の果物そのものみたいなジャムが詰まった、大人の口に合うジャムパン
ここ数年、母の通院の付き添いで銀座へ行く機会が増えました。先日、夫に「今度銀座で買ってきてほしいもの」を尋ねたら、SNSで頻繁に見かけて気になっているという、「東銀座のジャムパン」をリクエストされました。ジャンボめろんぱんが人気の「浅草花月堂」が手掛ける、大人のジャムパン専門店「銀座 月と花」のジャムパンです。
お店は10時開店で完売次第閉店ですが、ツイートを見ると午後早めに売り切れてしまうことが多いようです。付き添いの合間に行くのは無理そうなので、訪問は諦めてお取り寄せすることにしました。思い立ったが吉日、オンライン販売ページから「おすすめジャムパン 8個セット」を購入しました。
数日後細長い専用箱が2箱、冷凍便で届きました。箱の表面には、ゴーギャンの絵画を思わせる大胆な色使いのフルーツの絵柄。箱の横には、ツル性植物が風に揺れているみたいなソフトなタッチで、店名が描かれていました。この箱が好み過ぎて、一気にテンションが上がりました。
箱を開けると、大玉のりんごと同じくらいの大きさのジャムパンが4個、一列に並んでいました。ジャムパンは、箱と同じ絵柄が印刷されたパン専用鮮度保持袋に1個ずつ入っていました。
箱のふたの裏側には商品一覧シールが貼ってあり、その順番通りにジャムパンが並んでいました。種類が分からなくならないよう、パンを取り出したらその都度シールにチェックを入れました。
私がお取り寄せしたときのラインナップは、「究極のいちご」「しろの苺」「沖縄マンゴー」「佐藤錦」「白桃」など。国産の旬の果物を使用しているので、季節毎にジャムの種類は変わります。
珍しい果物もちらほらあり、魅惑的なフレーバーばかり。パンの上部の切り込みから見えるジャムは色とりどりで、味の想像がしやすく視覚的にも楽しめます。
ジャムが解凍するまで常温で自然解凍した後、トースターで1分ほど焼き直します。上部にほんのり焦げ目が付くくらいが、ベストな焼き加減です。
パンは外側はパリッとした歯応えで、中はふんわりと弾力のあるハード系の丸パン。ジャムは風味を保つために後入れされていて、パン生地との間にはバターが塗ってあり、コクを感じました。パンを2つに割ったら、あふれ出るジャムの量に驚きました。
甘みがなくシンプルなパンが、ジャムの甘さとジューシーさ、口どけの良さを際立たせています。ジャムは手作業で糖度を最大限に抑えて作られているので、果肉感と酸味と香りが残っています。元の果物の良さを引き立てているジャムは、「生の果物そのものにとても近い」と思いました。
「ジャムパンはやわらかくて甘いパン」という先入観を打ち破った、大人の口に合うジャムパンは、ワインやチーズとの相性も抜群でした。
菅井かおるさん(食と暮らしを楽しむ!「美食手帖」主宰)
埼玉県出身東京都在住、高校生と中学生のママ。大学在学中より華道・池坊(師範免許取得)、茶道・裏千家を学ぶ。金融機関退社後ジャパンホームベーキングスクール、辻クッキングスクール、長沼静きもの学院等で学ぶ。数年前にプリザーブドフラワー&生花アレンジメントのディプロマを取得。「食を楽しむことが生活を楽しむことにつながる」がモットー。調理師免許を持つ母の影響もあり、歳を重ねるごとに食への執着は増すばかり…
[ウェブサイト] 美食手帖