お取り寄せの達人のオススメ!
長船クニヒコさん(おかわりJAPAN 主宰)
脈々と受け継がれる京の味覚 大藤の「千枚漬」
毎年冬が待ち遠しい、恋しい。寒い日が好きなわけではなく、クリスマスやお正月が楽しみなわけでない。「京都を代表する冬の味覚である千枚漬が食べられる」、それが私の冬が待ち遠しい理由です。
しば漬・すぐき漬と並び京都3大漬物と称されている千枚漬。かぶら(特に聖護院かぶら)を横に薄くきり、塩漬けしたあとに昆布や調味料で味を調えたお漬物。
そんな千枚漬の誕生は今から約150年前、御所の料理人であった大黒屋藤三郎が考案しました。その元祖の千枚漬を味わえるのが「本家千枚漬 大藤」。初代の味と技は一子相伝。時代をこえて5代にわたり脈々と受け継がれています。
原材料の蕪はもちろん聖護院かぶら。色白できめ細やかな質感。直径は20cmを超え日本一の大きさ、かぶ蕪特有の旨みをしっかり含みそして甘い。秋の終わりごろから収穫されますが、霜がつもりはじめる初冬頃に旬を迎え甘みがより増します。大藤は主原料のかぶらだけでなく昆布・塩・砂糖、そしてお酢といった調味料も、その時々のベストなものをその道のプロに相談し使用するこだわりだそうです。そのこだわりが食に厳しいと言われている京都人に愛され続けている理由でしょう。
口の中に広がるみずみずしさと甘み、そして上品な酸味と昆布の旨み。さくさくとした口当たりのよい食感。味だけでなく白く繊細な姿にも心を奪われてしまいます。ご飯のお供として食べる場合はほんのちょっと醤油をたらしてもいいでしょう。
ただ千枚漬をお取り寄せする際はひとつ注意が必要です。それは極めて短い消費期限。約4日~5日。うっかり不在にしていて再配達が遅れたら……なんことは絶対にしないでほしい。注文完了したらいつ届くのか、こまめにチェックすべし! また贈り物として利用するときも同じく、先方様に受け取れる日を確認しておくのベストでしょう。すこし手間はかかるが、そのハードルを越えるだけの価値は十二分にある。この繊細さこそが千枚漬の真骨頂。
京都の歴史に刻む、風格のある千枚漬。江戸・明治・大正・昭和・平成そして新しい年号へと…… 6つの時代をまたいで受け継がれる伝統の味。後世に伝えていきたいお漬物です。
長船クニヒコさん(おかわりJAPAN 主宰)
日本各地の美味しいご飯のお供を紹介するブログ「おかわりJAPAN」主宰。北は北海道から南は沖縄県まで、全国津々浦々の「これさえがあればご飯が進む!」を探求し続け、今までに食べた”ご飯のお供”の種類は1,500種類以上。
その地域に伝わる伝統的なご飯のお供から、創意工夫尽くされたあっと驚く新感覚なお供まで、さまざまなご飯のお供の魅力をブログにて発信しています。ご飯のお供達人としてメディア出演も多数。
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