
お取り寄せの達人のオススメ!
松浦達也さん(フードアクティビスト/ライター/編集者)
「帝国ホテル列車食堂」の人気メニューが復刻。これが日本のハンバーグだ
このハンバーグを口に運んだ瞬間、なんとも言えない懐かしさが広がりました。これぞ日本のハンバーグ。洋食店や家庭で誰もが「おいしい!」と舌鼓を打ってきた味わいです。
このハンバーグはいまから数十年前、新幹線に食堂車があった頃、旅行客に提供されていた逸品を復刻させたもの。帝国ホテルの料理人と食肉卸のノムラが特別な旅のために作り上げたハンバーグなのです。
牛肉と豚肉の比率は黄金比率の7:3。そこにじっくり炒め上げた玉ねぎがうまみと甘みを加え、牛乳とパン粉が柔らかさを演出。裏書きの「原材料名」を見てみると、牛肉、豚肉、オニオンソテー、パン粉、牛乳、トマトケチャップ、鶏卵(国産)などなど、洋食店のハンバーグの材料そのもの。そのスタンダードが、伝統の帝国ホテルの味わいで甦ったのです。
そんなごちそうは待つ時間も楽しみのうち。「明日の晩はハンバーグ」と決めて、前日から冷蔵庫で解凍して温めたフライパンに一枚一枚乗せていく。ジューッという音とともにじっくり焼き上げると、鍋肌からいい香りが漂い、お腹からまだかまだかというコールが聞こえてきます。
両面においしそうな焼き目がついたら、さあいただきます。箸がすっと入る柔らかさなのに肉肉しい。まずはそのままひと切れを。続いてウスターソースとケチャップを合わせた爽快なソースでもうひと切れ。最後は「ハインツ日本」と帝国ホテルの第3代総料理長がコラボレートした「The Sauce デミグラスソース」で、牛すじや香味野菜をたっぷり使ったソースを加えればその肉肉しさは濃厚なレストランの味わいに。
そのままでよし、家庭的なソースでよし、プロのフォンドボーを加えたソースでよし。さまざまなごちそうの味が楽しめる、列車食堂復刻ハンバーグ。このパティを冷凍庫に備えれば、週末の食卓に特別な旅がやってきます。

松浦達也さん(フードアクティビスト/ライター/編集者)
調理の仕組みや科学、食文化史などを踏まえ、料理誌・一般誌・新聞・書籍・Webまで幅広く執筆・編集を手がける。テレビ等で食トレンドやニュース解説も。著書『大人の肉ドリル』は肉好きのバイブルとしてロングセラーに。他『新しい卵ドリル』(以上マガジンハウス)、『ハイボールとつまみ』(主婦の友社 ※監修)や、共著も審査員をつとめるレストラン年鑑『東京最高のレストラン』(ぴあ)ほか多数。マンガ大賞選考員、日本BBQ協会公認BBQ上級インストラクターでもある。
[ウェブサイト] 食とグルメ、本当のナイショ話 -生産現場から飲食店まで-(Yahoo! ニュース個人)
