お取り寄せの達人のオススメ!
平岩理緒さん(スイーツジャーナリスト)
7割が栗!稀少な栗と出会い、職人技を駆使して完成させた和栗のテリーヌ
「贅沢 和栗のテリーヌ」という名前のとおり、なんと生地のうち7割を熊本産の和栗が占めるというリッチな配合!大勢で集まる時や、自分へのご褒美に奮発して食べたい、まさに特別な一品です。
このお菓子を生み出された多田征二シェフは、兵庫県芦屋市の人気店「パティスリー エトネ」のオーナーシェフ。最初に作られたのは、まだ独立なさる前で、お客様の特別なオーダーが入った時のみ作られる、知る人ぞ知る品だったそうです。自店の開業後、お客様からのリクエストを受けて、美味しい栗を探され、定番メニューとなったそう。
使われているのは、熊本県の北部、山鹿市産の和栗。ペーストと、ゴロゴロとした栗の粒とがたっぷり入っています。仕入れ先の食品メーカーさんから、カタログには掲載されていない和栗があることを特別に教えてもらい、出会うことのできた稀少な栗だそうです。
年単位の受注生産であるため、毎年、使える量が決まっているそう。そのため、このテリーヌの販売も1日10個に限定。欲しい時には、ぜひ早めに確保したいですね!
栗の味わいを最大限生かすため、製法自体はシンプル。栗のペーストに、しっとり感を出すためのバターと、コクと形状を維持するための卵黄を入れて混ぜます。栗本来の甘さや香り引き立たせるため、砂糖の量はごく少なく、少量の粉砂糖のみを加えます。グラニュー糖ではなく粉砂糖を使うことで、生地全体に粘りが出て、しっとり感も増すそうです。
ただ、つなぎに小麦粉を入れず、コーンスターチを入れているため、グルテンが生成されず、ほろほろとした口どけの、歯切れのよい生地となります。
最後に、ミルキーさを出すために少し温めた生クリームもブレンド。生地温度を上げることで、綺麗に繋がって乳化しやすくなるのです。泡立てて空気を沢山入れていくと風味や水分が飛びやすいため、全体的に、静かに混ぜ合わせるイメージとなります。
生地を型に流し込み、ペーストと同じ熊本産の和栗を生地が見えなくなるほど敷き詰めたら、70分間じっくりと焼成。さらに冷蔵庫で1日休ませます。手間ひまがかかるのはもちろん、職人の細やかな感覚と気遣い、技術あってこそ完成するお菓子です。
クール便で届き、保存は要冷蔵。ただ、食べる時は1cm程の薄さにスライスして、しばらく常温に置いてからいただくと、和栗の風味をよりいっそう感じやすくなります。冬場などは、ラップ等で蓋をして電子レンジで5〜6秒ほど、ほんのりと温めても、何とも言えない香ばしさがふわりと口の中いっぱいに広がります。
ほろほろ感が、どこか和菓子のきんとんを思わせる和栗生地と、甘さよりも風味が際立つ粒栗の歯応えとの対比も楽しめ、大満足の食べ応え!コーヒーや紅茶と相性がいいのはもちろん、ほうじ茶とも抜群に合うので、ぜひ試してみてください!
平岩理緒さん(スイーツジャーナリスト)
スイーツ情報WEB「幸せのケーキ共和国」主宰。スイーツジャーナリストとして全国銘菓に精通し、TV・雑誌等各メディアで発信。「All About」スイーツガイドも務める。イベント企画や司会、企業や自治体のスイーツ開発など幅広く活動。セミナーや製菓系学校での講師も務める。TVチャンピオン「デパ地下グルメ選手権」優勝。著書に『東京最高のパティスリー』(ぴあ)、『まんぷく東京 レアもの絶品スイーツ』(KADOKAWA)等。『厳選スイーツ手帳』・『厳選ショコラ手帖』(世界文化社)を監修。
[ウェブサイト] 幸せのケーキ共和国Yahoo!ニュース オーサー
All About スイーツガイド
『まんぷく東京 レアもの絶品スイーツ』&『東京最高のパティスリー』
監修本『厳選スイーツ手帖』(世界文化社)
監修本『厳選ショコラ手帖』(世界文化社)
「おいしいマルシェ」(「人気店の定番スイーツ」vol.65)
令和アカデミー倶楽部「ネオ和菓子・第2弾食べ比べ」講座