お取り寄せの達人のオススメ!
清水美穂子さん(ブレッドジャーナリスト)
小さいけれど確かな幸せ。丁寧につくられた夏のご飯の友。
最初にこの美しい箱をいただいた時の視覚と味覚のサプライズが印象に残っています。
桐の箱に、平たい真田紐が十字にかけられ、きちんと結ばれているので、一瞬、茶道具か?と思ってしまったのです。
箱を開けると、布に包まれた「小松こんぶ」と「梅びしお」の瓶詰めが姿を現します。
もうそれだけでなんだか楽しく、自分も誰かに贈ってびっくりさせたくなってくるのですが。
小松こんぶと梅びしおはご飯の好きな方への贈り物におすすめの一品です。
そして一度この味を体験したならば、再び味わってみたくなることうけあいです。
まずは「小松こんぶ」。世の中に塩昆布はいろいろありますが、ここまで繊細で美しい塩昆布を知りません。極細に千切りにした塩昆布で、塩が辛すぎずほどよく、炊きたての白いご飯にのせれば、山椒の実の香気がほのかに立ちのぼります。
お弁当やおむすびにもいいですね。それからお茶請けに、甘いものをいただくときの箸休めにも。
料理に使うのはもったいない気もするけれど、キャベツまたはピーマンをごま油で炒めるときに、ぱらりと散らすと、素晴らしく品のある炒めものが出来上がります。
たたきキュウリにクラッシュした素焼きのアーモンドと一緒に和えるのも気に入っています。
そしてもうひとつの「梅びしお」。こちらも単なる練り梅ではありません。
炊き上げた北海道産の昆布が和歌山県産の南高梅の梅干に合わせてあります。
昆布の旨みのおかげか、梅の塩味や酸味が非常にまろやかです。
ご飯はもちろん、豆腐やチーズなどにちょっとのせたりして、前菜にもいい。
食材のもつ本来の甘みが引き出され、引きたて合うのです。
ここぞというときに使いたい、調味料かも。
おすすめは、本山葵(わさび)をすりおろして、梅びしおを同量混ぜるという、何やら魅惑的な酒肴。
日本酒にとてもよく合いそうです。
「ひしお」というのは塩とともに発酵させた熟成調味料の総称のこと。
ほんの少しで、旨みがたっぷり、味覚のサプライズが楽しめます。
食欲の落ちる夏場のキッチンでの活躍も、望めそうですね。
清水美穂子さん(ブレッドジャーナリスト)
東京生まれ。おいしいパンとそれをつくる人びとを取材する一方で、日常の食事の愉しみ、bread+something good(パンと何かいいもの)を提案する日々。関連企画のコーディネート、執筆多数。総合情報サイトAll Aboutではパンのガイドを務める。著書に『おいしいパン屋さんのつくりかた』(ソフトバンククリエイティブ)『日々のパン手帖~パンを愉しむsomething good』(メディアファクトリー)。
[ウェブサイト] Bread JournalAll About(パン)
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