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菅井かおるさん(食と暮らしを楽しむ!「美食手帖」主宰)

みるくとはちみつをぷるんと固めた、やさしさが際立つ白い葛羊羹

 みるくはちみつとうふ

都内のデパ地下などでお菓子を購入するときに、「このお店の本店はどこにあるのかな……」と気になったりします。以前、お世話になった目上の方へお遣い物にしようと、お気に入りの和菓子の候補をいくつか思い浮かべてみました。すると、本店が近江にあるお店のお菓子が多いことに気づき、「そうだ近江に行ってみよう」と旅行を思い立ちました。ところがその道中思いがけず、やさしい気持ちになれる和菓子に巡りあいました。

東京から車で行ったのですが、途中の三重県で高速を降り、鈴鹿郡関町(現亀山市)の宿場町・関宿に立ち寄りました。希少な亀山紅茶をお目当てに入店した英国風カフェで、「伊賀市の郷土料理の豆腐田楽がおいしいから、ぜひ食べていくといい」と伺い、当初の予定にはなかった、お隣の伊賀市を訪ねてみることにしました。

豆腐田楽が名物のお店に到着したところ、残念ながらその日は祝日明けの店休日。でも気を取り直し、かつての城下町の面影が残る伊賀の町並みを、一回りしてみることにしました。

上野天神宮につづく本町通りで、老舗の風格漂うお菓子屋さんを見つけました。外観はそっくり和菓子屋さんに見えますが、和菓子だけでなく、和の素材を使った洋菓子も併設・販売するスタイルに興味がわきました。看板には、桔梗の花と御菓子処「桔梗屋織居」という文字。後から知ったのですが、なんと創業は慶長年間。四百年以上もつづく、老舗中の老舗の和菓子屋さんでした。

どのお菓子を買おうかなと店内を見ていると、デパ地下の全国銘菓が集まる売場で見たことがある「みるくはちみつとうふ」というお菓子を発見。ホワイトとハチミツ色のパッケージで、その色の掛け合わせとネーミングから、「きっとやさしい味がするんだろうな」と感じ、記憶に残っていたお菓子です。

お店の方のお話では、お菓子の冷奴をイメージして作られた、豆腐料理が盛んな伊賀市ならではのお菓子だそう。確かに艶感といい四角い形といい、一見絹豆腐みたいに見えます。でも実際は、新鮮なミルクと風味のよいハチミツを本葛粉で固めた羊羹。ミルクに溶け込んだハチミツのやさしい甘さが、どこか懐かしい味わいです。和菓子屋さんのお菓子らしく、小豆の甘煮を散りばめるなど和の素材がプラスされていて、口あたりのやわらかさに、時々小豆の粒感がアクセントになります。

葛で固めたお菓子には独特ののど越しがありますが、「みるくはちみつとうふ」も、のどを通るときのぷるんとした感じがたまりません。やさしく体にしみいる穏やかさが、風邪をひいてのどが痛かったり、熱っぽいとき、食欲がないときにもよさそうです。

みるくとうふのシリーズは他に、風流な名前の小豆憧風(あずきどうふ)と、抹茶入りの抹茶みるくとうふが定番品。春は桜、夏はレモン、秋は栗など季節限定の味もあるそうなので、季節毎に楽しみたいですね。

菅井かおるさん(食と暮らしを楽しむ!「美食手帖」主宰)

埼玉県出身東京都在住、高校生と中学生のママ。大学在学中より華道・池坊(師範免許取得)、茶道・裏千家を学ぶ。金融機関退社後ジャパンホームベーキングスクール、辻クッキングスクール、長沼静きもの学院等で学ぶ。数年前にプリザーブドフラワー&生花アレンジメントのディプロマを取得。「食を楽しむことが生活を楽しむことにつながる」がモットー。調理師免許を持つ母の影響もあり、歳を重ねるごとに食への執着は増すばかり…

[ウェブサイト] 美食手帖
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