お取り寄せの達人のオススメ!
菅井かおるさん(食と暮らしを楽しむ!「美食手帖」主宰)
1日3,000個販売!愛知県豊橋市で50年以上のロングセラーケーキ「ピレーネ」
ケーキ屋さんでたった一つだけしかケーキを選べないとしたら、今ならきっとショートケーキを選ぶと思います。以前はモンブランかチーズケーキの二択だったのですが、最近どっぷり、スポンジと生クリームのコンビネーションにハマっています。
愛知県豊橋市に、生クリームとスポンジだけでつくられた、地元で知らない人はいない超有名ケーキが存在すると知ったとき、「これは絶対に食べてみたい」と思いました。
1951年創業の豊橋市の和洋菓子店「ボンとらや」さんの看板商品で、天使のおやつの愛称で親しまれている、「ピレーネ」というケーキです。
今をさかのぼること半世紀以上も前の、1970年に誕生したロングセラー商品で、1日3000個、週末にはもっと売れるというすごいケーキです。いつの時代も、幅広い世代の方に愛されているのでしょう。
見た目は究極にシンプルで、座布団の四隅を折り返してつくった山みたいな形をしています。並んだ姿がピレネー山脈に似ていることから、ピレーネと命名されたそうです。
ピレーネのバニラ味は、たまご色のスポンジの中央に、純白の生クリームをきゅっと絞り落として、職人さんがやさしく手包みした一番人気の種類です。出来上がりのサイズは、手のひらより少し大きめです。
スポンジと生クリームだけのシンプルで潔いケーキだからこそ、奥が深く、こだわりがたっぷり詰まっています。
4種類の生クリームを配合して、風味をアップさせた、口どけ軽快な生クリーム。温度にこだわって焼き上げた、美しい色のスポンジは、卵と小麦粉の配合比がポイント。
クッションみたいにふわふわのきめ細かなスポンジを手包みする、職人さんの絶妙な力加減もまた、おいしさの秘訣です。個包装になっているので持ち運びがしやすく、片手で手軽に食べられるところもいいですね。
ピレーネのバニラ味を初めて食べたとき、「あ、懐かしい味がする」と思いました。小さいころによく食べた、バナナをクリームとスポンジで挟んだケーキに似ていたからです。バナナなどのフルーツ全般はもちろん、きな粉、黒蜜、黒ごまペーストなど和の素材とも相性が良いので、自分好みアレンジするのもおすすめです。
ピレーネの味は、定番のバニラ、ダブル(生クリーム&カスタード)、チョコのほか、季節限定の味を合わせて、常時6~7種類あるそうです。
最近はケーキとか一度に何個も食べられないのですが、ピレーネなら余裕で2個はいけちゃいます。
菅井かおるさん(食と暮らしを楽しむ!「美食手帖」主宰)
埼玉県出身東京都在住、高校生と中学生のママ。大学在学中より華道・池坊(師範免許取得)、茶道・裏千家を学ぶ。金融機関退社後ジャパンホームベーキングスクール、辻クッキングスクール、長沼静きもの学院等で学ぶ。数年前にプリザーブドフラワー&生花アレンジメントのディプロマを取得。「食を楽しむことが生活を楽しむことにつながる」がモットー。調理師免許を持つ母の影響もあり、歳を重ねるごとに食への執着は増すばかり…
[ウェブサイト] 美食手帖