お取り寄せの達人のオススメ!
市川歩美さん(ショコラコーディネーター・チョコレートジャーナリスト)
アントワープ の新進気鋭のショコラティエ「イースク」に注目!
アントワープの28歳のショコラティエJITSK(イースク)を紹介しますね。ふとしたことから昨年の夏に出会い「これは」と思ったのがイースクのチョコレートです。
実は昨年のバレンタインシーズンにも日本で販売されていたのですが、私はあまりにもその姿が地味だったせいか?ノーマークでした。
シーズンが過ぎた後、じっくりといただくとその香りの高さと、計算された素材同士のフレーバーの調和に、はっきりと気づきました。
ナチュラルな素材を使っている。コンテストに出すからはりきっている、と言う感じがない。チョコレートにほぼ、なんの色も飾りもない。発想がなんとなく理系っぽい? 甘さの度合いが少ない。若いシェフ??
ボンボンショコラを何個か口にするたびに、いろいろな疑問がよぎり、その答えを探すべく調べてみると、イースクは、アントワープで18歳で起業した、現在28歳の若いチョコレート職人でした。
私は10月、アントワープまで実際にアトリエを訪ね、シェフともゆっくり喋りましたが、やっぱり思った通りの超理系!また、この方のフルーツやハーブ、野菜に至るまで、チョコレートに使う素材への厳格なこだわりは半端なかったのです。
「どうして色を使わないですか?」
「チョコレートに装飾を施さないのはなぜ?」
この質問に対するイースクの答えは明快でした。
「色は味にならないから」
「味が第一だから」
「アントワープでは、というか私の周辺では、色のついたものを逆に好まない人が多いですけどね」
なるほど。
フォトジェニックな昨今、ここまでシンプルだと目立たないかもしれませんが、チョコレートは食べ物です。「味が第1」。そんな当たり前のことに気づかせてくれるチョコレートかもしれません。
ボンボンショコラには、イースクが自分で管理するオーガニック農園で育てたものをふんだんに使っています。
特に「ファームセレクション」は、全種がオーガニックファームで採取された野菜やフルーツ、ハーブを使っています。
農園で育ったにんじん(ショコラに人参、ですよ?)をペーストにしたものに、こちらも農園で育ったシーバックソーン(オレンジ色の酸っぱいフルーツ))を合わせた「キャロットシーバックソーン」、ビーツとジンジャーのバランスが良い「ビーツジンジャー」、香り高いバーベナのカシスとのバランスに感激する「カシスバーベナ」など。
「日本では色がある方が受け入れられやすいというアドバイスがあったので、日本で販売するものに限り、今年は少し色をいれています」(イースクシェフ)
アントワープ郊外にある注目のショコラティエのショコラが、オンライン販売されているのは嬉しいこと!あのこだわりにしてアトリエメイドの手作りで、この価格は良心的です。他にもいくつかのアソートがあるので、いろいろと試してみてくださいね。
市川歩美さん(ショコラコーディネーター・チョコレートジャーナリスト)
大学卒業後民間放送局に入社、ディレクターとして多数の番組を企画・制作。ショコラ愛好家歴は25年以上で、現在はチョコレートジャーナリスト、ショコラコーディネーターとして雑誌、ラジオ、TV、情報サイトなどで活躍。東洋経済オンライン執筆者、オールアバウトのチョコレートガイドもつとめる。チョコレート情報サイト「The Chocolate Journal」を主催。
[ウェブサイト] Chocolat Lover's Net*The Chocolate Journal