お取り寄せの達人のオススメ!
小笠原由貴さん(チーズライター・パン教室「ラ・ナチュール」主宰)
チーズマニアが驚喜する特別な牛のミルクで作る乳製品セット
2022年の秋に開催された国産チーズのコンクール、Japan Cheese Award。そこに突如現れ、初出品にしてグランプリをかっさらっていった凄腕のチーズ工房...
私が美瑛酪農放牧場さんに持っているのは、そんな印象なのですが、もう、作るチーズが抜群に美味しい!
そのチーズのコンクールでは様々なチーズを試食しましたが、初めて食べた美瑛酪農放牧場さんの「フロマージュ・ド・美瑛 夏ミルク」の味が別格。ひときわ光るものがあり、食べた瞬間に、え、何これ?!と衝撃を受けるほどの美味しさでした。これは絶対賞を獲るな、と結果発表前から確信し、以来、すっかりファンになってしまいました。
こんなに美味しいチーズが出来るには、やはり沢山の理由があって、まずはチーズ職人さんの腕。
こちらでチーズを作っているのは、若き女性職人の小熊さん。チーズの本場フランス、しかもコンテチーズを作っている工房で修行を重ねた実力派です。
そしてミルクの質。
美瑛放牧酪農場さんでは通年放牧というスタイルを取っており、文字通り、春夏秋冬1日24時間、牛たちは丘陵地に放牧されて自由に過ごせるので、ストレスが少なく足腰も丈夫で健康。そんな牛たちのミルクは、やっぱり質が良くて美味しいのです。
それに、牛の品種も乳質にかかわる重要なポイント!
こちらで飼育されているのは、ジャージー、ブラウンスイス、ホルスタイン、そして……モンベリアルドの4品種。中でも大注目なのがモンベリアルドで、これは、フランスのコンテチーズの原料乳を出している品種。この名前を聞くとチーズマニアは驚喜するのですが、私の知る限り、日本で飼育しているのは2か所しかない、とても珍しい品種です。
他の3品種もとても良質なミルクを出してくれるのですが、チーズ好きとしてはモンベリアルドが良い味を出してくれているのかな、と思いたいところです。
そんな美味しいチーズと同じミルクで作られる乳製品たちは、やっぱり抜群に美味しい!
今回ご紹介する「美瑛放牧酪農場Dセット」は、ラクレットチーズ、フロマージュブラン、飲むヨーグルト、有塩バター、そして低温殺菌牛乳と美味しい乳製品がたっぷりいろいろ入った充実の内容。
特に味わっていただきたい低温殺菌牛乳は、豊かな風味が感じられながらもさらりとしていて後味が良く、くどくありません。体にすっと吸収されていくのを感じる、体も喜ぶ牛乳です。
そしてバターも秀逸。すっとくちどけ良く、香りが広がり、バターなのに全く重くない!冷たいスライスをたっぷりとパンに乗せて食べていただきたい、極上バターです。
フロマージュブランや飲むヨーグルトには、土地の香りというか、青草等の食べたものの風味が感じられますし、ラクレットは加熱しても分離せずきれいに溶け、味わいにも厚みがあってミルク感豊か。
それぞれにどれもが本当に美味しい!こんな乳製品が日常にあると、幸福感がかなり上がりますし、体も健やかになるように思います。
美瑛の美しい自然環境で通年放牧された牛たちのミルクは、季節の影響を受けるので、毎回味が微妙に変化するのも魅力。
一度と言わず、季節ごとに、是非お試しいただきたい商品です。
小笠原由貴さん(チーズライター・パン教室「ラ・ナチュール」主宰)
旅行会社勤務を経て渡米。ナパバレーやバークレーでの料理修行を通し、地産地消、オーガニック、素材を活かした料理を知る。帰国後、レストランやチーズ専門店で働いた後、パン教室をオープン。Simple & Natural をモットーとするレシピに質の良い食材は欠かせず、美味しいものを求めて、お取り寄せするのはもちろん、国内外の生産者を実際に訪ねている。また、チーズセミナーの講師を務めたり、All About等の媒体でチーズについての記事を執筆。最近では、スウェーデンMATEUS社の食器を販売する“La Table”も運営。
[ウェブサイト] パン教室“la nature”All About チーズガイド
l'Atelier de Nature(ラトリエ ド ナチュール)
酪農ビストロのとろけるチーズレシピ