お取り寄せの達人のオススメ!
河原有里さん(フードコーディネーター・料理家)
優しい飲み口の癒し系白ワイン。旬のものとあわせて春を楽しんで
朝、今日は暖かいなぁ、思って家を出るのですが、夜になるとびっくりするぐらい寒くなったり、服装に迷う時期ですね。つい先日まで毎日着ていた厚いコート、もうクリーニングに出していいのかどうか、迷いませんか?
毎年、この時期に飲みたくなるワインはだいたい同じ感じなんですよね。冬の寒さで凝り固まった身体を、やさしくほぐしてくれるようなワインが飲みたくなります。癒されたいんだな…
今回のおすすめは、すっきり、ふんわり果実を感じるフランスの白ワイン。余韻にやさしい甘さが感じられる、でも辛口のワインです。
こちらのワインに是非あわせてみてほしいのは、貝の出汁!
たとえば、はまぐりのお鍋と。はまぐりの出汁で豆腐や白菜などを煮るお鍋です。食べるときに白胡椒を少しふって。先日、あさりの出汁で、新わかめとホタルイカのしゃぶしゃぶしたらすごくおいしくて、このワインにもぴったりでした。菜の花のからし和えや山菜のてんぷらなど、ほろ苦い春の味にも合いますね。
苺との相性も抜群です。そのままでももちろん、独活とあわせて酢味噌和えにしたり、もし甘いホワイトバルサミコがあったら、軽くマリネしてミントをそえて。
このワインのドメーヌは、フランス・ロワール地方のアンジュから南へ約50km、ソミュールとコトー・デュ・レイヨンの間に位置するサン=マケール=デュ=ボワにあります。
もともと代々に渡り、葡萄とシリアルを栽培していたタイエ家のジャン・タイエ氏が、1970年から自分たちの所有する葡萄からワイン造りを開始。2013年までジャン氏の息子ガブリエル氏が父親と共にワイン造りを行い、2014年からは現当主のティボー・アンリオン氏が引き継ぎ、現在に至ります。
ティボー氏が一番大事にしていることはバランスだそうです。味のバランスはもちろん、周辺の自然環境に配慮をした葡萄栽培やワイン造りを行っています。そのためドメーヌは、葡萄や土壌の個性を大切にしたワイン造りを行うことを目指し設立されたフランスの団体「テラ・ヴィティス(Terra Vitis)」に加盟・認証を受けています。周辺環境への配慮、そして葡萄栽培と醸造に至るまで、丁寧さを大切にしている生産者です。
土壌は、粘土と砂、シルト質土壌。ステンレスタンクで発酵し、オリと一緒に翌年の春まで熟成します。その後、フィルタリングして瓶詰めされています。
バランスがよく心地よい酸味と果実味はその土壌のおかげなのか、やさしい飲み口なのは丁寧に作られているからなのか。安心して飲めるワインだと感じます。
おうち飲みや一家団欒の席でワイワイ、気軽にあけられるワインです。毎日の食卓に、お花見に、新生活スタートなどのお祝いに。ワインと一緒に新しい季節を楽しみましょう!
河原有里さん(フードコーディネーター・料理家)
総合商社食品部勤務時代に様々な食品原料輸入や加工食品開発を担当、国内外でいろいろと思いっ切り飲んで食べる。料理留学先のイタリアで郷土料理に目覚める。現在はワインや食まわりのコーディネート、企業や店舗、広告等のレシピ・商品開発などで活動中。「食中酒」好き、お酒と食事のペアリングを日々研究中。
[ウェブサイト] yurigoro5(Instagram)