お取り寄せの達人のオススメ!
chicoさん(スイーツライター)
パリの食通を熱狂させたレストランデセールを、家でゆるりと。
レストランでしか味わえなかったコースのシメのデセール(デザート)、しかもリアルなパリの一皿が鎌倉で気軽に食べられる!と、2021年にオープンするや、お菓子好きたちの話題をさらった『レガレヴ』。今度はさらに、家にいながらその幸せを味わえるようになりました。
佐藤亮太郎シェフは、パリで26年に渡り、名だたるレストランなどでシェフパティシエを務め、トップシェフやパティシエたちと肩を並べて活躍。さらには現地のレストランやカフェにデセールの指導までしてきた人。
彼のスペシャリテの一つ、この「プロフィットロール」は、ルイ14世(!)初めセレブたちに愛された、パリ最古のレストラン『ラペルーズ』のシェフパティシエを務めていたときに生み出したとか。
「プロフィットロール」自体は、バニラアイスのシューに温かいチョコソースをかけていただくクラシックなデセール。それを気を衒うことなく、味覚でぐっと華やかに再構築してみせたというわけです。
直径8cmほどと大ぶりなシュー皮にたっぷり詰まるのは、バニラビーンズを惜しげもなく使った自家製アイスとマスカルポーネ入りバニラクリーム。マダガスカル産バニラを種だけでなく鞘もペーストにして入れることで、バニラの奥行きがぐいぐい深まるよう。
とろりとかかるチョコソースに使うのは、パッション種で発酵させたカカオのチョコレート(『ヴァローナ』の「イランカ」)。
フルーティーな酸味とローストピーナッツのようなアロマ、力強いカカオ感を持つチョコレートを、クリームでなく水でのばしてソースにするそう。おかげでスッキリとした食べ心地になり、カカオの個性がクリアに楽しめます。
さらなる決め手は、最後に散らすクラッカン。ザクザクした茶色のかけらたちの正体は、シロップをまとったペカンナッツと砕いたカカオニブチュイル、ココアにゲランドのフルール・ド・セル(海塩)!
温かいソースとクラッカンをバニラアイスシューにたっぷり纏わせていただくと、全てが一つにとろけ合い、甘い背徳が押し寄せます。
カカオの果実味とバニラがとろけ合う豊かな香り、そこにザクザクのクロッカンの香ばしさと時々やってくる塩気が心地よく、没入しているうちに気づけばお皿は空っぽに。
そんなかけがえない体験をそのまま家でも。全て冷凍で届くので、焦らず待つのがあの喜びを再現させるポイント。
バニラアイスシューを夏は10分、冬なら20分ほど常温に置いて、周りが少し柔らかくなったら食べ頃です。お店みたいに大きめの皿に乗せて、湯煎した温かいチョコソースをかけたら、クロッカンをあらかじめ少し混ぜて、ちょっと高めの位置からかけて(塩がいい具合に散ってくれます)。
シェフ気分も味わいつつ盛り付けたら、パリのレストランの幸せを家でゆっくりと。バニラアイスとシューとチョコ、みんなになじみのものが織りなす未知の世界へいっちゃってください。
chicoさん(スイーツライター)
スイーツトレンドに精通し、「anan」や「Hanako」、「ELLE goumet」はじめ多数の雑誌やWeb、TVでスイーツ記事の執筆や特集企画監修・出演を行うほか、ギフトのセレクトショップ、ECサイトなどでスイーツ監修も手がける。「anan」で「Food topics 〜chicoのお菓子な宝物」、「SALUS」で「もらって嬉しい手土産スイーツ」を連載中。『東京の本当においしいスイーツ探し』シリーズ監修。共著に『東京最高のパティスリー』。
[ウェブサイト] Twitter「anan」連載中「chicoのお菓子な宝物」
「SALUS」連載中「もらって嬉しい手土産スイーツ」