お取り寄せの達人のオススメ!
平岩理緒さん(スイーツジャーナリスト)
鹿児島の新たな名物スイーツ!素材の旨みがぎゅっと凝縮した手作りジャム
私は、取材や仕事で日本各地を訪れることが多く、地元産の素材を使ったお菓子には、大いに心惹かれます。鹿児島の「城山観光ホテル」に、ご当地素材を使った大人気のジャムがあると噂に聞いていて、昨年やっといただく機会を得たのが、こちらの「知覧茶ジャム」と「安納芋ジャム」のセット。
鹿児島県は、日本を代表するお茶処で、生産量は何と全国2位。その中でも、薩摩半島の南部中央に位置する知覧のお茶「知覧茶」は、品評会でも2年連続で日本一を受賞するほどの品質です。
その知覧茶をふんだんに使用し、茶葉の香りや色を損なわないよう、牛乳や生クリームと合わせて丁寧に炊き上げ、濃厚な抹茶ミルクジャムに仕上げたのが「知覧茶ジャム」。やさしい甘さの中に、渋味は抑えられたお茶の旨みが感じられ、じんわりと癒される和のスプレッドです。「2015かごしまの新特産品コンクール」で「鹿児島市長賞」も受賞していて、まさに、地元の素材を活かした鹿児島の新たな名物として認められた逸品と言えます。
そして、鹿児島と言えばさつまいもが有名ですが、「安納芋ジャム」は、鹿児島県種子島特産の安納芋を使用。安納芋は、収穫した段階で糖度が約16度とまるで果物のような抜群の甘さを誇り、今や全国で大人気のブランド芋。水分が多く、焼くとねっとりとした食感が楽しめるのが特長です。
この安納芋と濃厚なミルクを合わせ、芋本来の甘さを存分に生かしつつ、すっきりとした味に仕上げています。
これらのジャム作りのポイントは、素材の風味をぎゅっと濃縮させて、焦がさないことはもちろん、綺麗なグリーンや黄色を損なわないよう、やさしくじっくりと煮詰めていく微妙な炊き加減。製菓料理長の栄村洋樹シェフ自ら製造に当たっていて、一日に作れる個数にも限りがあります。1回の注文で3セットまでの購入という条件が付いているのはそのため。ただし、どちらかを2本に増やして3本入りにすることもでき、どちらか一種類のまとめ購入も可能です。
何といってもお勧めの食べ方は、トーストに塗っていただくこと。先に焼いておいた温かいパンに塗ると、ジャムがさらっとのびやすく薄づきに。一方、生の食パンにたっぷりと塗って、それをオーブントースターで焼くと、ジャムもとろけながらふつふつと煮立ち、甘い香りが台所一杯に立ち込めて、それは幸せな気持ちになれること間違いなしです!
ホットミルクに混ぜて召し上がっても、冬はもちろん、まだ少し冷え込む春先まで、ほっこり温かく楽しめます。
「地産地消」という言葉があり、ここ最近、地元で採れたものを地元で消費するという考え方が定着してきています。私は、さらにもう一歩進んで、優れた素材を使い地元で加工した美味しいものを、ぜひ、遠方の方にも知っていただき、食べていただきたいと考えています。
そんな、鹿児島自慢のご当地ジャム、ぜひ一度お試しを!
※編集部注:知覧茶ジャム・安納芋ジャム・知覧紅茶ジャムの3種類から、2種類選べるようになりました。
平岩理緒さん(スイーツジャーナリスト)
スイーツ情報WEB「幸せのケーキ共和国」主宰。スイーツジャーナリストとして全国銘菓に精通し、TV・雑誌等各メディアで発信。「All About」スイーツガイドも務める。イベント企画や司会、企業や自治体のスイーツ開発など幅広く活動。セミナーや製菓系学校での講師も務める。TVチャンピオン「デパ地下グルメ選手権」優勝。著書に『東京最高のパティスリー』(ぴあ)、『まんぷく東京 レアもの絶品スイーツ』(KADOKAWA)等。『厳選スイーツ手帳』・『厳選ショコラ手帖』(世界文化社)を監修。
[ウェブサイト] 幸せのケーキ共和国Yahoo!ニュース オーサー
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『まんぷく東京 レアもの絶品スイーツ』&『東京最高のパティスリー』
監修本『厳選スイーツ手帖』(世界文化社)
監修本『厳選ショコラ手帖』(世界文化社)
「おいしいマルシェ」(「人気店の定番スイーツ」vol.65)
令和アカデミー倶楽部「ネオ和菓子・第2弾食べ比べ」講座