お取り寄せの達人のオススメ!
平岩理緒さん(スイーツジャーナリスト)
コーヒーと共に楽しんで! 若き5代目による新感覚の愛らしいお干菓子
香川県丸亀市の「寳月堂」さんとの出会いは、2021年2月に都内百貨店で開催された和菓子の催事で、若き5代目、桑田桃子さんにお会いしたのがきっかけでした。
お店は曽祖父の方が大正六年(1917年)で創業され、桃子さんも子どもの頃から和菓子に親しみ、高校卒業後、ご自身で選んだ京都の和菓子店で修業し、地元に戻っていらしたそうです。
一目で「可愛い!」と心を掴まれたのは、猫の肉球の形がユーモラスな「チャイの和三盆」。そして、愛らしいピンク色と白の花に緑の葉も添えられた「薔薇の和三盆」でした。
香川と言えば、伝統的な製法で作られる「和三盆糖」の産地。
このシリーズは、桃子さんが、お干菓子に馴染みのない世代や地域の方にも気軽に召し上がっていただきたいと考案した、新感覚のフレーバー和三盆。疲れた時に、1粒のチョコレートを口にして、ほっと一息つく感覚で楽しんでほしいそうです。
特に「チャイの和三盆」は、袋を開けた瞬間から、スパイスの香りが辺りに広がって、インパクト大! ミルクや紅茶が入っている訳ではないのですが、ミックススパイスとバニラシュガーを加えることで、チャイを思い起こさせる甘く優しい風味に仕上げられています。
シナモンやクローブ、ナツメグ、メースといったいかにもエキゾチックな香辛料だけでなく、七味唐辛子の材料の一つである、柑橘の皮を干した「陳皮(チンピ)」も入っているのが「和」を感じさせて面白い!
口に入れると、舌の上でスーッととけて、さらさらとなじんでいき、香ばしさと上品な甘さと共に、スパイスの風味がじんわりと広がります。
後に残らないキレのある甘さは、「和三盆」ならではの魅力。紅茶やミルクティーと合わせて、よりいっそう「チャイ」感が楽しむのもお勧めです。
「薔薇の和三盆」には薔薇の花びらパウダーも入っていて、ロマンチックな雰囲気。「貝づくし」は、様々な貝殻形のバニラビーンズ入り和三盆で、小さな金平糖のようなグリーンのあられも添えられた爽やかなビジュアル。
今回新たに、これら3種のフレーバー和三盆と、和菓子と相性よく楽しめるように焙煎師の方と共に作り上げた
というオリジナルブレンドの「まるがめ城下町ブレンド」ドリップバッグの詰め合わせを作ってくださいました。
しっかりと深みのある味わいながら、酸味が出ないように焙煎されたコーヒーは、和三盆とも相性抜群です。
丸亀市は、豊臣秀吉の時代に築城され、日本100名城の中でも現存する十二天守の一つに数えられる丸亀城の城下町として栄えた土地。私も、いずれお店を訪問できる日を楽しみに、新感覚の和三盆をいただきつつ、ゆったりとティータイムを楽しみたいと思います。
平岩理緒さん(スイーツジャーナリスト)
スイーツ情報WEB「幸せのケーキ共和国」主宰。スイーツジャーナリストとして全国銘菓に精通し、TV・雑誌等各メディアで発信。「All About」スイーツガイドも務める。イベント企画や司会、企業や自治体のスイーツ開発など幅広く活動。セミナーや製菓系学校での講師も務める。TVチャンピオン「デパ地下グルメ選手権」優勝。著書に『東京最高のパティスリー』(ぴあ)、『まんぷく東京 レアもの絶品スイーツ』(KADOKAWA)等。『厳選スイーツ手帳』・『厳選ショコラ手帖』(世界文化社)を監修。
[ウェブサイト] 幸せのケーキ共和国Yahoo!ニュース オーサー
All About スイーツガイド
『まんぷく東京 レアもの絶品スイーツ』&『東京最高のパティスリー』
監修本『厳選スイーツ手帖』(世界文化社)
監修本『厳選ショコラ手帖』(世界文化社)
「おいしいマルシェ」(「人気店の定番スイーツ」vol.65)
令和アカデミー倶楽部「ネオ和菓子・第2弾食べ比べ」講座