お取り寄せの達人のオススメ!
平岩理緒さん(スイーツジャーナリスト)
想い出の味が進化!贈り物にしたい可憐な焼き菓子「ウィークエンド」
4月14日は「オレンジデー」と言われています。「JA全農えひめ」が提唱し、2009年に「日本記念日協会」に認定登録された記念日です。
バレンタイン、ホワイトデーに続き、オレンジやオレンジ色のプレゼントを贈り合い、愛する人との絆を深めてほしい日だそう。ちょうど柑橘類が豊富に揃う時期でもあり、華やかなビタミンカラーは春によく似合います。
こちらの愛らしい花の形の「ウィークエンド オランジュ」も、まさに大切な人に贈るギフトにぴったり! すっきりとした味わいと香り高さで知られる「カルピスバター」やアーモンドパウダーを使ったパウンドケーキ風の生地に、スライスしたオレンジ皮の砂糖煮をたっぷりと混ぜ込んだ、香り高くリッチな配合です。
「ウィークエンド」というフランス菓子は、その名のとおり、週末に家族や友達と過ごす際に食べるようなお菓子ですが、レモンを使うことが多く、四角いパウンドケーキ型で焼くのが一般的です。
「パティスリー ビガロー」のオーナー石井亮シェフは、若い頃に修業した老舗フランス菓子店「レピドール」で、このオレンジ入りのウィークエンドに出会い、繊細な感覚が問われる製法を学ばれました。
その後、ヨーロッパで修業して帰国し、2014年に独立して東京・世田谷区に自店を開業。そこで、想い出の焼き菓子をアレンジし、進化させたのがこちらの品です。
伝統的な「ウィークエンド」は、上から糖衣をかける仕上げ方が多いのですが、ギフトとして日持ちを長くさせようとパッケージングすると、表面の糖衣が袋についたりしてしまいます。そこで、糖衣無しでもしっとり感を保つため、オレンジの芳醇な香りを持つグランマルニエというリキュールとシロップを合わせたものを、焼き上がりにたっぷりとしみこませているそうです。
可憐な花の型は、フランス時代に見つけて買っていらしたもので、昔ながらの金属製。焼いた後にはがれやすくするため、事前に型の内側にバターと小麦粉を塗っておく必要があるなど、手間もかかりますが、火通りがよく、美しい焼き色がつくのも特長です。
お店では、四角い型で焼いた「ウィークエンド オランジュ」を1人分サイズにカットしたものも出していますが、この花の型は表面積が広い分、生地の高さが低くなり、より短時間で焼けます。そのため、同じ生地でも、いっそうしっとりと焼き上げることが出来るのだそうです。
BOXには、オレンジの果実と白い花が描かれていますが、オレンジの花には、「純粋」「愛らしさ」「花嫁の喜び」といった花言葉があるそうで、やさしさと品格が感じられます。新たな門出を祝う贈り物としてぴったりの品。紅茶との相性が抜群のお菓子なので、一緒にプレゼントしてもいいですね。
平岩理緒さん(スイーツジャーナリスト)
スイーツ情報WEB「幸せのケーキ共和国」主宰。スイーツジャーナリストとして全国銘菓に精通し、TV・雑誌等各メディアで発信。「All About」スイーツガイドも務める。イベント企画や司会、企業や自治体のスイーツ開発など幅広く活動。セミナーや製菓系学校での講師も務める。TVチャンピオン「デパ地下グルメ選手権」優勝。著書に『東京最高のパティスリー』(ぴあ)、『まんぷく東京 レアもの絶品スイーツ』(KADOKAWA)等。『厳選スイーツ手帳』・『厳選ショコラ手帖』(世界文化社)を監修。
[ウェブサイト] 幸せのケーキ共和国Yahoo!ニュース オーサー
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『まんぷく東京 レアもの絶品スイーツ』&『東京最高のパティスリー』
監修本『厳選スイーツ手帖』(世界文化社)
監修本『厳選ショコラ手帖』(世界文化社)
「おいしいマルシェ」(「人気店の定番スイーツ」vol.65)
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