お取り寄せの達人のオススメ!
白木あきこさん(ウェルネスフードクリエーター)
とろっと柔らかな餡を包む紅白の最中種が愛らしい最中の逸品
和菓子好きのくせにべったりと濃い「あんこ」が苦手で、たとえば餡を固めたような羊羹やきんつばはもちろん、大量の餡が包み込まれた最中、大福、饅頭などもできたら避けたい私。「ほな、何を食べんねん!」と突っ込まれそうですが、実はこうした苦手分野にこそ「これなら食べられる!」と愛する一品が存在します。
その多くは「小ぶり」「こしあん、もしくはつぶし餡」「瑞々しく淡い」といった特徴があります。たとえば最中なら、とらやの「御代の春」一択! わが家では長年、お正月には必ずこの紅白の愛らしく美味しい最中を、同じく紅白の和三盆糖である「推古」や年によって干支の羊羹などと共に用意しています。
「御代の春」はもはや好物なので、年中、幾度となく買って食べている日常的な存在なのですが、不思議なことに、お正月にはとてもあらたまった気持ちでいただく特別なお菓子のように感じられます。
御代の春という、上品で高貴な菓銘が素晴らしい。名前からしてもう、アタマひとつ抜けているのです。そして最中種(最中皮)の意匠は紅が桜、白が梅で、見るからに愛らしいだけでなく餡になじむ薄さと柔らかさ、小ぶりなところがまた素晴らしい。
無類の最中好きの母は、昔から「最中は種や(最中は皮が重要)」といっていましたが、私もそう思います。どちらの餡も美味しいことは当たり前として、だからこそ差がつくのが最中種なのです。
とはいえ、私にとって肝心なのはやはり餡。御代の春の餡は柔らかい食感で、「紅」がつぶしの白あん、「白」がこしあんです。ボテッとした濃い餡が苦手な私にとってはとても食べやすく、初めて口にしたときに最中の概念が変わりました。
意外とリーズナブルなお値段であること、手元に届いてから10日ほどと日持ちすることも魅力です。また、とらやは多くの百貨店や商業スポットに店舗があり買いやすいのも助かるポイント。丁寧な接客、お包みにいつも感心させられます。個包装になっているため手みやげにもぴったりで、迷った時はとらやへ!が私のデフォルトです。
尚、オンラインショップでは詰め合わせになっていますが、店舗ではほとんどの商品を一個から買うことができます。機会があれば様々な甘味が味わえる「虎屋菓寮」へもぜひ。特に京都一条店は空間も大好きな私の癒やしスポットです。
白木あきこさん(ウェルネスフードクリエーター)
2000年に立ち上げたグルメサイトを2020年春「美食道.com」にリニューアル。分子栄養学、ローフード、認知症予防等を学び、新たに「ウェルネスフーズラボ」「認知症予防食.com」を立ち上げる。安全な美味にこだわり、美と健康のためのウェルネスフード研究と食レッスンを行っている。
[ウェブサイト] 美食道.com