
お取り寄せの達人のオススメ!
嶋啓祐さん(フードビジネスデザイナー)
年末年始を彩る極上ハムのツートップ。郡上八幡が誇る逸品セット
夏に長期間開催される郡上踊りが有名な岐阜県郡上市八幡町、通称では郡上八幡。踊り以外にもきっと何かあるな、と思って初めて訪れたのが今年の6月のこと。長良川の鮎や高台にそびえる郡上八幡城、そして、町中を流れる清流の美しさをすっかり気に入ってしまって11月に再度訪れることに。そこで見つけたのが、今回ご紹介する、2ブランドの「ハム」なのです。
それは「明方(みょうがた)ハム」と「明宝(めいほう)ハム」。なんかよく似ていますよね。同じ町になぜ似たような名前のハムが2ブランドあるのか?ということを郡上市の郡上八幡産業振興公社の廣瀬芳則さんに伺うと、「もともとは農協で作っていた明方ハムが最初で、そこから分かれてできたのが明宝ハムなんです」という、まずはざっくりとしたお答え。
なにか面白そうだぞ、と調べを進めると、切磋琢磨して2つの異なるブランドが共に成長していることが見えてきたのです。
明方ハムは当時の奥明方村(後に明方村)で生まれ、その後、農協の統合等の混乱のさなか、キーマンが独立して明宝ハムが設立されたとのこと。明方ハムは八幡町、明宝ハムは明方村に陣(工場)を構えたものの、平成の大合併で郡上市にまとまり、現在に至っています。
ちょっと複雑ですが、分離してから30年も経っていることと2つのブランドはどっちが上下ではなく受け入れられていて、どちらも成長しているところが面白いですよね。
前振りが長くなりました。前出の廣瀬さんは「明方のほうがわずかに塩味が強めに感じられ、明宝のほうがさっぱり目の味わいです」とコメント。
ハムを食べ比べてみると、なるほど微妙に違いがわかります。いずれもしっかりとした食感を感じられる良質な豚肉を使用していることがわかります。端的に言うと明方のほうが赤ワインに、明宝のほうがスパークリングワインと白ワインに合う感じでしょうか。
ではどうやって食べるのがおいしいのか?ですが、豚もも肉を凝縮させて作られた密度濃い味わいのハムですから、まずはそのまま切って食べてみましょう。冷蔵庫から出してすぐだと冷たすぎるので少し常温に戻すか、レンジで30秒ほど温めて食べるとハムの旨味がストレートに伝わり、じわっと味わいが口の中に広がっていくことがわかります。ハムってこんなにおいしかったっけ?
そして熱いフライパンで30秒づつ両面を焼いて胡椒で、またはマヨと七味、バター醤油で香りを加えるとおいしさが広がります。焼き過ぎると旨味を含んだ水分が抜けてしまうので、さっと加熱がおススメです。
ここで2つのブランドのハムをキーワードで整理してみましょう。
・明方(みょうがた)ハム:めぐみの農業協同組合加工事業所/ちょい濃い目でしっかりとしたうま味/350g
・明宝(めいほう)ハム:明宝特産物加工株式会社/ さっぱりとした中に感じられるうま味/360g
結局どっちもおいしいということで、私も両方一緒になったハムをお取り寄せしています。今年のお正月は2つのハムの蘊蓄でおいしさを?み締めたいですね。そして来年はぜひ郡上八幡に行ってみてください。ほんとうに素晴らしい町なんですよ。

嶋啓祐さん(フードビジネスデザイナー)
全国の食材や加工品をPRするフードビジネスデザイナー。自然、風土、生産者、素材、そして料理人とその先にいる顧客、食に関わるすべての方が幸せになるような「フードデザインによる地方創生」を仕事にしている。おとりよせの達人ほか、02年よりオールアバウトにてフレンチガイド、ぐるなびのippinキュレーターを務める。北海道出身。
[ウェブサイト] All About フレンチガイド
