お取り寄せの達人のオススメ!

松浦達也さん(フードアクティビスト/ライター/編集者)

唯一無二、カレー味の半身から揚げは他にない旨さ!

 半身から揚げカレー味

「みんな大好き!」の代名詞、カレーとから揚げですが、なぜかカレー味のから揚げの新店が爆発的な人気でブームとなった……というお話を耳にしません。

なぜか。

新潟に「せきとり」というカレーから揚げの超名店があるからです。「神聖にして犯すべからず」なのか、「強すぎるがゆえの孤高」なのかはわかりませんが、ちょっとから揚げをかじったことがある人や北陸エリアの飲食店なら、カレー味のから揚げでこの店に挑もうとは思わないはず。それくらいの絶対王者です。

揚げたてを店で食べるとき、胸肉を押さえつけて、もも肉を引きはがすように持ち上げると、はがれた肉の間からブワッと湯気が立ち上ります。鶏油のコクも芳わしい揚げ油は味の深みとジャンク感を奇跡のように両立させ、瑞々しい鶏肉を超パワフルな味わいに盛り立てます。

このボリューム感と独特のカレー風味(明らかに"赤缶"の味ではない)を両立するだけでも、他者の追随を許すわけがないのに、さらに揚げ続けた年季が味に反映されています。

「せきとり」のから揚げが通販で手に入ると知ったとき、欣喜雀躍のごとく喜んだのは言うまでもありません。何しろ、店は新潟駅から車で10分ほど行ったところ。東京住まいの身としては、そうしょっちゅう行ける場所でもないのです。

この店は戦後「せきとりや」という名前で養鶏場を営んでいた初代が、1959(昭和34)年屋台で商売を始めたところからスタートしました。新潟でカレー味のから揚げを考案したのも、半身揚げというスタイルで売り出したのも「せきとり」だったと言われています。

実は新潟市民は、毎年行われる総務省の家計調査でカレールウの消費量では必ず上位に入るほどのカレー好きで、2020年の調査でも3位にきっちり入っていました。明治維新の開港五港の一つでもある新潟は、進取の精神に富んでいて、文明開化とともに洋食文化をすぐさま取り入れたのです。

初代がカレーから揚げを考案したのは、学校給食にカレーライスが導入される10年以上前のこと。昭和30年代というカレー黎明期にカレー味のから揚げを導入したのです。もう慧眼以外の何物でもありません。

通販では、その半身から揚げが真空パックにかけられて、冷凍されたものが届きます。もちろん店舗で食べるのが最高には違いありませんが、この冷凍から揚げ、家庭で食べても実においしい!

添付される公式レシピは、冷凍なら500Wのレンジで5〜6分、解凍して冷蔵状態なら同2〜3分となっています。確かにその手順でも手軽においしく食べられます。何より手軽に温められるのは便利!

さらに! せきとりの半身揚げを最高においしく食べたければ、奥の手があります。

まずレンジを使わず普通に室内などに放置して常温まで解凍してください。その後低温設定のあるオーブンで100℃に設定して20〜25分温め、最後に200℃で表面をバリッと3分温める。こうすると、揚げたてのジューシーな肉の食感が甦ります。

オーブントースターしかない方でも大丈夫。ふんわりホイルをかけて10分加熱して10分休ませて、ホイルを外して3分加熱。これで揚げたての味わいが甦ります。

お店での答え合わせは、ときがくればいつでもできます。まずは(通販も含め)「せきとり」にしかない、未知なる味体験をぜひ一度。

松浦達也さん(フードアクティビスト/ライター/編集者)

調理の仕組みや科学、食文化史などを踏まえ、料理誌・一般誌・新聞・書籍・Webまで幅広く執筆・編集を手がける。テレビ等で食トレンドやニュース解説も。著書『大人の肉ドリル』は肉好きのバイブルとしてロングセラーに。他『新しい卵ドリル』(以上マガジンハウス)、『ハイボールとつまみ』(主婦の友社 ※監修)や、共著も審査員をつとめるレストラン年鑑『東京最高のレストラン』(ぴあ)ほか多数。マンガ大賞選考員、日本BBQ協会公認BBQ上級インストラクターでもある。

[ウェブサイト] 食とグルメ、本当のナイショ話 -生産現場から飲食店まで-(Yahoo! ニュース個人)
※本ページにはプロモーションが含まれています

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