お取り寄せの達人のオススメ!
松浦達也さん(フードアクティビスト/ライター/編集者)
豚肩ロースの力強くも美しい肉質を生かす、スパイシーソース
食べごたえのある、お肉はもうそれだけでごちそうですが、肉の在庫を切らしてしまうと、急においしい肉にありつくのは難しいもの。かといって、外食やデリバリー頼みというのもちょっぴり気が引けてしまう。
そんなときの選択肢として使い勝手がいいのが、冷凍庫に「あとは焼くだけ」の肉を常備しておくこと。鹿野ファームの豚肉のステーキシリーズ(冷凍)はそんなときに実に心強い戦力として活躍してくれます。
そもそも豚肉の味噌漬けのように漬け込むタイプの肉は日持ちはするものの、味加減をピタリと決めるのは難しいもの。
漬け込む日数や時間によって味の濃さが変わりますし、(塩分の入った)漬けダレで肉のタンパク質の組成が変わったり、浸透圧で肉から水分が絞り出されたりしてしまうので、ちょうどいいタイミングで肉の肉らしいおいしさを味わえるとは限らない料理でもあるのです。
ところが鹿野ファームの豚肉のステーキシリーズはとてもよくできていました。
厚さ1cm程度に切り出された豚ロース肉の片面にのみソースが塗られて、裏側には調味はされていません。片面にはしっかり味をつけながら熟れた味を演出し、裏側にはフレッシュな豚肉の味わいがしっかりキープされています。
しかも冷凍品にしたことで、味の染み込み加減は調整済み。時間の経過によって味が染み込みすぎたり、ソースで水分が抜けるなどということもありません。ブレのない漬け込み感&フレッシュな味わいにありつくことができるのです。
翌日の予定に組み込むことができるなら、冷蔵庫で一日かけてゆっくり解凍が理想ですが、翌日の見通しが立たなかったり、時間がなかったりというときには、真空パックごとボウルに溜めた氷水に沈めれば、1~2時間もあれば解凍できます。
あとは薄く油を引いたフライパンを中火にかけて、まずはソースのかかっていない側から焼き始め、焼き目がついたら弱火に落としてソースに浸かった面をじんわり焼き上げる。
フライパンのスペースにゆとりがあれば、一緒にピーマンや万願寺とうがらし、もやしなどを焼いてもいいですし、裏技としては、焼く直前に肉表面の余分なソースをぬぐってから肉を焼き、肉を引き上げた後のフライパンにぬぐったソースと日本酒をなじませてひと煮立ちさせて“追いソース”にしたりするのもおすすめ。
豚肉を始め、食肉の味は血統と飼料と環境で決定されます。肉質の安定した四元豚の鹿野高原豚は、いい血統にトウモロコシや麦、国産米・海藻粉末などを独自ブレンドした飼料と天然水で、山深い山口県周南市で育てられています。
ボリュームある豚肩ロースのステーキは、焼鳥のタレのようなほんのり甘辛いソースがベース。ピリッと味の引き締まった大人向けの黒胡椒ソースは食事が進み、お酒のつまみにもうってつけ。もう一種類の玉ねぎ香る甘やかなシャリアピンソースは老若男女、誰もが喜ぶ味わいです。いい解凍といい調理で困ったときの食卓を見事に彩ってしまいましょう。
松浦達也さん(フードアクティビスト/ライター/編集者)
調理の仕組みや科学、食文化史などを踏まえ、料理誌・一般誌・新聞・書籍・Webまで幅広く執筆・編集を手がける。テレビ等で食トレンドやニュース解説も。著書『大人の肉ドリル』は肉好きのバイブルとしてロングセラーに。他『新しい卵ドリル』(以上マガジンハウス)、『ハイボールとつまみ』(主婦の友社 ※監修)や、共著も審査員をつとめるレストラン年鑑『東京最高のレストラン』(ぴあ)ほか多数。マンガ大賞選考員、日本BBQ協会公認BBQ上級インストラクターでもある。
[ウェブサイト] 食とグルメ、本当のナイショ話 -生産現場から飲食店まで-(Yahoo! ニュース個人)